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セールスファネルとは?意味・段階・作り方から具体例まで、自社に当てはめてわかる解説

この記事の要点
セールスファネルとは、見込み客が商品・サービスを認知してから契約・購入に至るまでの行動プロセスを、段階ごとに可視化した「漏斗」状のモデルです

マーケティングファネルとの違いは対象範囲。「認知〜問い合わせ」まではマーケティング、「問い合わせ後〜契約」まではセールスが担うのが基本の分け方です

最大のメリットは、施策の良し悪しを「なんとなく」ではなく段階ごとに判断できるようになること。認知が足りないのか、比較検討で離脱しているのかが具体的に見えてきます

自社の商品・サービスを「認知→興味→検討→契約」の各段階に当てはめて書き出すことで、今どこが弱いのか仮説を持てるようになります

BtoB企業(法人向けビジネス)では、マーケティング担当者と営業担当者の間で「見込みあり」と判断する基準がずれていることが、典型的なつまずきポイントになります

「広告やSNSにはそれなりに反応があるのに、なぜか契約や購入まで結びつかない」「マーケティング施策をいろいろ試しているが、何が効いているのか分からない」。こうした、なんとなくの不安を抱えている方に向けてこの記事を書きました。
セールスファネルは、その”なんとなく”を具体的な地図に変えるための考え方です。この記事を読み終える頃には、自社の「見込み客が集まってから契約に至るまでの流れ」を一枚の図としてイメージでき、「たぶんこの段階が弱いかもしれない」という仮説を持てるようになります。
読みながら、ぜひ自社の商品やサービスを思い浮かべてみてください。

この記事の監修者
麻生 諒也

麻生 諒也株式会社ウォーカンド 代表取締役

学生時代よりSEO・SNS事業を立ち上げ、個人事業主としてマーケティング領域に従事。個人と並行し、新卒でWEB広告代理店に入社。ブランド領域の広告プランナーとして、提案から運用まで一気通貫で担当する。同領域にて準MVP、MVPを受賞し、独立。2025年、株式会社ウォーカンドを設立。

1. セールスファネルとは?基本の意味と言い換え表現

セールスファネルとは、見込み客が商品やサービスを知ってから購入・契約に至るまでの行動プロセスを、段階ごとに可視化したモデルのことです。

英語のfunnel(漏斗=じょうご)が語源で、口の広い漏斗のように、最初は大勢いた見込み客が、段階を経るごとに数が絞られていく様子を表しています。100人が興味を持っても、実際に契約するのはそのうちの数人、というイメージです。

図|セールスファネルのイメージ

認知
興味
検討
比較検討
契約

段階が進むほど、見込み客の数は絞られていきます

言い換え・類似表現

「セールスファネル」は、文脈によって以下のように言い換えられることがあります。

  • 購買プロセス/購買ファネル:顧客が購入に至るまでの流れそのものを指す、やや一般的な言い方
  • 顧客獲得プロセス:営業・マーケティングの実務でよく使われる表現
  • コンバージョンファネル:Web解析の文脈で使われることが多く、サイト訪問から申込みまでの流れを指す場合に使われます
  • 営業ファネル:セールスファネルとほぼ同義で使われることが多い表現

いずれも指しているものは大きくは変わりませんが、「マーケティングファネル」だけは対象範囲が異なるので注意が必要です(3章で詳しく解説します)。

2. なぜセールスファネルを理解する必要があるのか

セールスファネルを理解する一番のメリットは、施策の良し悪しを「なんとなく」ではなく、段階ごとに判断できるようになることです。

たとえば「問い合わせが増えない」という悩みがあったとします。ファネルという考え方がないと、「広告を増やそう」「もっと発信しよう」といった、原因を特定しないままの対策になりがちです。

しかしファネルで段階を分けて考えると、以下のように問題の所在を切り分けられます。

  • そもそも見る人(認知)が少ないのか
  • 見てはいるが、興味を持ってもらえていないのか
  • 興味は持たれているが、比較検討の段階で他社に流れているのか
  • 検討はされているが、最後の一押しが足りないのか

この切り分けができるようになると、「効果がありそうなことを手当たり次第試す」状態から、「弱い段階に絞ってピンポイントで手を打つ」状態に変わります。これが、セールスファネルを理解する最大の実務的な価値です。

3. 混同しやすい言葉との違いを整理する

「セールスファネル」を調べていると、「マーケティングファネル」「パイプライン」「チャネル」といった似た言葉によく出会います。どれも似たような場面で使われるため混同しやすいのですが、それぞれ指しているものが微妙に異なります。この違いを整理しておくと、社内での会話や資料を読むときに「今どの範囲の話をしているのか」を正しく理解できるようになります。ここでは3つの言葉との違いを順に見ていきましょう。

マーケティングファネルとの違い

マーケティングファネルとセールスファネルは、しばしば同じ意味で使われますが、厳密には対象範囲が異なります。

  • マーケティングファネル:見込み客が「認知」してから「興味を持ち、問い合わせや資料請求に至るまで」を扱う。主にマーケティング担当者が責任を持つ範囲
  • セールスファネル:見込み客が「問い合わせた後」から「契約・購入に至るまで」を扱う。主に営業担当者が責任を持つ範囲

会社によっては、この2つを厳密に分けず、認知から契約までの全体を指して「セールスファネル」と呼ぶこともあります。どちらの意味で使われているかは、文脈で判断する必要があります。

【2026年最新】マーケティングファネルとは?フレームワークの意味・図解・古いと言われる理由まで解説

パイプラインとの違い

セールスファネルと似た言葉に「セールスパイプライン」があります。

  • セールスファネル:見込み客全体の流れを表す、いわば設計図
  • セールスパイプライン:個別の商談・案件がどこまで進んでいるかを管理する、いわば工程表やリスト

ファネルが「全体としてどこで人数が減っているか」を見るための考え方であるのに対し、パイプラインは「Aさんの商談は今どの段階にあるか」を1件ずつ管理するための道具です。両方あわせて使うことで、全体の傾向と個別の進捗の両方を把握できます。

チャネルとの違い

「チャネル」は、見込み客と接点を持つための経路や手段(SNS、広告、展示会、紹介など)を指します。ファネルが「顧客の状態がどう変化していくか」という縦の流れを表すのに対し、チャネルは「その状態の顧客にどこで出会うか」という横の手段を表します。ファネルの各段階に対して、どのチャネルを使うかを組み合わせて考えるのが実務的な使い方です。

4. セールスファネルの基本構造・段階

セールスファネルは、一般的に3つの層で整理されます。

略称 正式名称 顧客の状態
TOFU(トフ)Top of Funnel(認知)商品やサービス、あるいは自分の課題にまだ気づき始めたばかりの段階
MOFU(モフ)Middle of Funnel(興味・検討)課題を自覚し、解決策を比較・検討している段階
BOFU(ボフ)Bottom of Funnel(比較・購買)導入・購入をほぼ決めており、最後の後押しを待っている段階

もう少し細かく、「認知→興味→検討→購入(契約)」という4段階、あるいは「認知→興味→比較→検討→購入」という5段階で説明されることもあります。段階の数に絶対的な正解はなく、自社の商品・サービスの検討期間の長さに合わせて調整して構いません。検討期間が短い商品であれば3段階、高額商材や検討に時間がかかるものであれば5段階、というように考えるとよいでしょう。

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5. 具体例で見る、セールスファネルの姿

言葉の説明だけではイメージがつきにくいと思うので、架空の会社を例に、実際のファネルの姿を見てみましょう。

例|個人向けパーソナルジムを運営するA社の場合
段階 顧客の状態 実際の接点・行動
認知「そろそろ運動しないと」と漠然と感じているSNS広告やインフルエンサーの投稿で初めて目にする
興味「このジム、良さそうかも」と感じ始めるInstagramでアカウントをフォローする
検討「他のジムとどう違うのか」を比較している公式サイトで料金を確認し、口コミを調べる
比較検討(後押し)「一度体験してから決めたい」無料体験の予約フォームから申し込む
契約「このトレーナーになら任せられる」体験時のカウンセリングを経て契約

このように書き出してみると、A社が「認知」の広告にどれだけお金をかけても、「体験予約フォームが分かりにくい」「口コミサイトの評判が悪い」といった検討段階に問題があれば、契約にはつながらないことが見えてきます。

あなたの会社に置き換えると?

同じ表を、自社の商品・サービスに当てはめて書き出してみてください。

あなたの会社に置き換えると?(書き込みワークシート)
段階 顧客の状態 実際の接点・行動
認知  
興味  
検討  
比較検討(後押し)  
契約  

すべてのマスが埋まらなくても構いません。埋まらなかった箇所こそ、次に手を打つべき場所です。たとえば「検討」の欄に何を書けばいいか分からなければ、それは顧客が比較検討する材料(事例、比較表、口コミなど)を用意できていない、というサインかもしれません。

6. セールスファネルの作り方

自社のファネルを本格的に設計する場合は、以下の順番で進めると進めやすくなります。

STEP1:顧客が購入に至るまでの道のりを書き出す

5章で行ったように、まずは自社の顧客が「認知」から「契約」までにどんな心理を経て、どんな行動を取るかを書き出します。実際に契約してくれた顧客に「どうやってうちを知ったのか」「決め手は何だったのか」をヒアリングできると、精度がぐっと上がります。

STEP2:各段階でのゴールを決める

「認知」段階のゴールは「サイトへの訪問」なのか「SNSのフォロー」なのか。「検討」段階のゴールは「資料請求」なのか「無料相談の予約」なのか。段階ごとに、次に進んでもらうための具体的なゴールを決めます。

STEP3:段階ごとに必要な施策・コンテンツを当てはめる

段階ごとのゴールが決まったら、それを達成するための施策を考えます。

段階 施策の例
認知SNS投稿、広告、口コミでの紹介
興味ブログ記事、メールマガジン、事例紹介
検討比較表、料金ページ、お客様の声
契約前の後押し無料相談・体験、期間限定の特典

STEP4:数字を記録し、振り返る仕組みを作る

最初から完璧なファネルを作る必要はありません。各段階で「何人が次の段階に進んだか」を記録できる状態を作り、数か月ごとに振り返って改善していくのが現実的な進め方です。Excelやスプレッドシートに、問い合わせ数・体験申込数・契約数を記録するだけでも十分な第一歩になります。

7. うまくいかないときのサイン(原因診断)

ファネルを作ったあと、思うように成果が出ない場合は、以下のようなサインから原因を切り分けられます。

  • 認知は多いのに、問い合わせが少ない:広告やSNSのリーチはあるが、興味を持ってもらえていない可能性があります。訴求している内容が、実際のターゲットの悩みとズレていないか見直しましょう
  • 問い合わせは来るが、契約に至らない:比較検討の材料(事例、料金の分かりやすさ、口コミ)が不足している可能性があります
  • 体験や相談までは進むが、契約されない:最後の後押し(特典、フォロー体制、対応スピード)に課題があるかもしれません

BtoB企業(法人向けビジネス)の場合に、特に起こりやすいこと

自社が法人向けにビジネスを行っている場合、もう一つ特有のつまずきポイントがあります。それは、マーケティング担当者が「見込みあり」と判断する基準と、営業担当者が「商談を進めてよい」と判断する基準がずれていることです。

マーケティング側は「資料をダウンロードしてくれた」だけで有望な見込み客だと考えがちですが、営業側は「予算や導入時期まで具体的に決まっていないと商談を進めにくい」と感じていることがあります。この基準のズレを放置すると、マーケティングが集めた見込み客を営業が追わない、という状態が起こりやすくなります(このズレは専門的には「MQLとSQLの不一致」と呼ばれることがあります)。

思い当たる場合は、マーケティング担当者と営業担当者が同じ場で、「どんな状態になったら営業に引き渡すか」を一度言葉にして揃えてみることをおすすめします。

まとめ:まず紙に、自社のファネルを書き出してみる

この記事では、セールスファネルの意味、混同しやすい言葉との違い、具体例、作り方、うまくいかないときのサインまでを解説しました。

たくさんのことを説明しましたが、次にやることは1つだけで構いません。5章の表を使って、自社の商品・サービスの「認知→興味→検討→契約」を、思いつく範囲で書き出してみてください。

書き出してみて空欄になった段階が、今の自社にとって最も手を打つべき場所です。完璧な図を作る必要はありません。まずは紙に書き出してみることが、「なんとなくの不安」を「対処できる」という手応えに変える、最初の一歩になります。

もし書き出してみて「思ったより手が止まる」「自分たちだけでは整理しきれない」と感じた場合は、無理に一人で抱え込む必要はありません。第三者と一緒に整理するだけで、見えていなかった穴に気づけることも多くあります。Walkandでは、そうした「まず自社の状況を整理したい」という段階からのご相談も承っています。気軽な質問だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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よくある質問

セールスファネルとはどういう意味ですか?

見込み客が商品・サービスを認知してから購入・契約に至るまでの行動プロセスを、段階ごとに可視化したモデルのことです。段階を経るごとに人数が絞られていく様子が漏斗(じょうご)に似ていることから、この名前がついています。

「セールスファネル」の言い換えは?

「購買プロセス」「顧客獲得プロセス」「コンバージョンファネル」「営業ファネル」などと言い換えられることがあります。ただし「マーケティングファネル」は対象範囲が異なるため、完全な同義語ではありません(3章参照)。

セールスファネルの作り方は?

①顧客が購入に至るまでの道のりを書き出す→②各段階のゴールを決める→③段階ごとの施策を当てはめる→④数字を記録し振り返る、の4ステップで進めます(6章参照)。

セールスファネルの例は?

5章で紹介したパーソナルジムの例のように、「認知→興味→検討→契約」の各段階で顧客がどんな心理状態にあり、どんな行動を取るかを具体的に書き出したものが、実際のセールスファネルの姿です。

セールスファネルにはどんな種類がありますか?

最も一般的なのはTOFU/MOFU/BOFUの3段階モデルです(4章参照)。企業によっては、これをさらに4〜5段階に細分化して管理することもあります。

セールスファネルのメリットは?

施策の良し悪しを「なんとなく」ではなく段階ごとに判断できるようになり、どこに問題があるかをピンポイントで特定できるようになることです(2章参照)。

マーケティングファネルとセールスファネルの違いは何ですか?

マーケティングファネルは「認知〜問い合わせ」まで、セールスファネルは「問い合わせ後〜契約」までを指すのが基本的な違いです。ただし、両方をまとめて「セールスファネル」と呼ぶ会社もあります(3章参照)。

セールスファネルの段階は?

最も基本的なのは3段階(認知・興味検討・購買)ですが、4〜5段階に分けて管理されることもあります(4章参照)。

セールスファネルとチャネルの違いは何ですか?

ファネルは顧客の状態の変化という「縦の流れ」を表し、チャネルは顧客と出会うための広告やSNSなどの「手段・経路」を表します。ファネルの各段階に、どのチャネルを組み合わせるかを考えるのが実務的な使い方です(3章参照)。