無料相談する

Googleブランドリフト調査(BLS)の費用・設定ポイントを解説

YouTube広告やデマンドジェネレーション広告を配信しているけれど、「本当にブランド認知は上がっているのか?」と疑問を感じたことはありませんか。クリック数やインプレッション数だけでは、ユーザーの意識変化までは見えません。そこで活用したいのがGoogleブランドリフト調査(BLS)です。

本記事では、ブランドリフト調査の仕組み・費用の目安・設定方法・注意点、さらにサーチリフト調査(SLS)との違いまで、実務で判断に迷わないレベルで解説します。

Googleブランドリフト調査(BLS)とは何か

Googleブランドリフト調査は、広告が表示されたユーザーと表示されなかったユーザーの2グループにアンケートを実施し、広告接触によるブランド認知や購入意向の変化を定量的に把握できるツールです。

Google業種担当者がついていること、かつ一定の出稿量があることが条件となるものの、条件を満たせばGoogle広告の管理画面から無料で設定できます。広告出稿の「付帯」として使えるにもかかわらず、結果から得られる示唆は多く、弊社の多くの広告主様も活用しています。

広告の「態度変容」を数字で可視化できる

通常のレポートでわかるのは、表示回数・クリック率・視聴完了率といった行動指標だけ。ブランドリフト調査が測定するのは、もっと上流の意識指標です。

たとえば「最近オンライン動画広告で見たブランドはどれですか」「聞いたことがあるブランドはどれですか」といった質問を、広告を見たグループと見ていないグループの両方に投げかけ、その回答差(リフト値)を算出します。リフト値がプラスなら、広告が態度変容に貢献した証拠になります。

設問の種類

設問の種類設問例
広告想起率この中で、最近オンライン動画広告で見たブランドはどれですか
認知度この中で聞いたことがあるブランドはどれですか
関連付け「XXXXX」と関連付けるブランドは次のうちどれですか
比較検討ブランドを利用する場合、次のうちどれを検討しますか
好意度この中にあなたが好きだと思うブランドはありますか
購入意向今度、次のブランドのいずれかを利用する場合、第一候補となるものはどれですか

調査の基本フローは4ステップ

Googleブランドリフト調査の流れはシンプルです。

STEP

Google業種担当者にブランドリフト調査の実施意向と、ホワイトリスト申請。

まず、Google業種担当者にブランドリフト調査の実施意向を伝え、ホワイトリスト申請を依頼します。担当者が該当アカウントの申請をGoogle社内で実施しますが、この申請にはおおよそ2週間ほどかかるため、早めに対応するのがおすすめです。対応が完了すると、管理画面の「測定」の項目に「リフト調査」が表示されるようになります。

STEP

調査する広告キャンペーンを入稿。

次に、調査対象となる広告キャンペーンを入稿します。広告配信開始日までにクリエイティブが完成していない場合は、キャンペーンの箱だけ作成し、日予算を正しく設定しておけば問題ありません。

STEP

測定>リフト調査の項目からブランドリフト調査設定

続いて、「測定」→「リフト調査」の項目から、ブランドリフト調査の設定を行います。今回調査するキャンペーンを紐づけ、設問の内容を設定してください。

STEP

配信開始日に広告をON(設定完了していれば自動で収集開始)

最後に、配信開始日に広告をONにすれば、設定が完了していればアンケートの収集が自動で開始されます。

Googleブランドリフト調査に必要な費用

Googleブランドリフト調査の最大の魅力は「無償付帯」であること。

ただし、調査を開始するには一定額以上の広告出稿が前提条件となります。聴取する質問数によって必要な出稿金額が変わるため、予算策定の段階で把握しておくことが重要です。

質問数ごとの出稿金額の目安

Googleが定める出稿条件は以下のとおりです。いずれも10日間での出稿金額が基準となります。

1問聴取の場合:10日間で$15,000 USD
2問聴取の場合:10日間で$30,000 USD
3問聴取の場合:10日間で$60,000 USD

1問あたり約220万円(1ドル=145円換算)、3問聴取なら約870万円の出稿が必要になる計算です。なお、日本円換算の正確な金額はブランドリフト管理画面から直接確認できるので、レート変動が気になる場合はそちらを参照してください。

出稿金額を「ギリギリ」に設定するリスク

注意したいのが、規定金額をぎりぎりで設定しているケースです。調査完了までの期間は通常3〜14日ですが、アンケート回答の取得ペースによって前後します。もし10日間ちょうどの予算で設定して調査が完了しなかった場合、11日目に日予算を変更すると調査がストップしてしまいます。

せっかく数百万円を投下したのに調査データが得られない、というのは避けたい事態です。規定金額に対して10〜20%の余裕を持ったご予算設計をおすすめします。

Googleブランドリフト調査が利用できるキャンペーン

ブランドリフト調査はすべてのGoogle広告キャンペーンで使えるわけではありません。対応メニューと設定上の制約を事前に確認しておかないと、広告主と広告代理店で合意後に「調査設定できなかった」という事態になりかねません。

利用可能なキャンペーンタイプ

Googleブランドリフト調査に対応しているのは、動画キャンペーンデマンドジェネレーションキャンペーンの2種類です。YouTube上のインストリーム広告やバンパー広告などが主な配信面となります。

ただし、インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)では利用できません。配信面の選択時にこの点を見落とすと、調査対象外の配信に予算を使ってしまう可能性があるので気をつけてください。

デマンドジェネレーションキャンペーンの追加条件

デマンドジェネレーションキャンペーンでブランドリフト調査を実施するには、Googleのホワイトリストに事前登録が必要です。この登録はセルフサービスでは完了できず、Google広告の業種担当者へ依頼する形になります。

ホワイトリスト登録には数営業日かかるケースもあるため、キャンペーン開始の2〜3週間前にはリクエストを出しておくのが安全です。担当者がついていない場合は、Google広告のヘルプセンターから問い合わせましょう。

Googleサーチリフト調査(SLS)との違い

ブランドリフト調査と混同されやすいのがサーチリフト調査(SLS)です。両者は測定対象がまったく異なるため、目的に応じて使い分ける必要があります。

サーチリフト調査はGoogle検索行動を測定する

サーチリフト調査は、広告接触後にユーザーが「ブランド名」や「関連キーワード」をGoogle検索したかどうかを測定するもの。アンケートではなく、実際の検索行動データを使って広告効果を評価します。

「広告を見た人は見ていない人と比べて、どれだけブランド名の検索回数が増えたか」を数値で確認できるため、認知だけでなく能動的な情報探索行動への影響まで測れる点が強みです。

サーチリフト調査の出稿条件

Googleサーチリフト調査の実施には、28日間で$15,000 USD以上の出稿が必要です。ただし注意点がひとつ。サーチリフト調査だけを単独で実施することはできず、ブランドリフト調査の出稿規定も同時に満たす必要があります。

つまり、サーチリフト調査を行いたい場合は、最低でも「10日間で$15,000(BLS 1問分)+ 28日間で$15,000(SLS分)」の出稿計画が必要。実質的にはブランドリフト調査をベースにしつつ、追加でサーチリフトも測定するという位置づけです。

BLSとSLSを組み合わせると見えるもの

ブランドリフト調査(意識の変化)とサーチリフト調査(行動の変化)を組み合わせると、広告効果を多角的に評価できます。

たとえば「広告想起リフトは+15%出ているのに、検索リフトはほぼゼロ」という結果が出れば、広告は記憶に残っているが能動的な行動には結びついていない、つまりクリエイティブの訴求力やCTAの改善余地がある、と判断できます。

逆に検索リフトだけ高い場合は、認知は既に十分で比較検討フェーズへの後押しが効いている可能性が高い。このように、2つのデータを掛け合わせることで次の打ち手が具体的になります。

ブランドリフト調査を成功させるための実務ポイント

調査を「実施できなかった」「実施しただけ」で終わらせないために、事前準備からレポーティングまでのポイントを押さえておきましょう。実際にやってみると細かなつまずきポイントがいくつもあります。

調査期間の設計は余裕を持つ

先述のとおり、アンケート回答の取得には3〜14日かかります。規定金額ぴったりの出稿設計だと、回答数が集まる前に調査がストップするリスクがあります。10日間の規定期間に対して、少なくとも12〜14日分の予算を確保するのが安全策です。

また、調査中にクリエイティブやターゲティングを大幅に変更すると、リフト値の信頼性が下がります。調査期間中は設定をなるべく固定し、「純粋な広告効果」を測れる環境を維持してください。

結果の読み方と社内共有のコツ

ブランドリフト調査の結果を読み解く上で押さえるべき指標は、絶対的リフト・相対的リフト・ヘッドルームリフトの3つです。

絶対的リフト

広告接触グループの認知率から非接触グループの認知率を差し引いた値です。

例えば接触グループが40%、非接触グループが30%であれば、絶対的リフトは10%となります。広告によってどれだけ態度変容が起きたかを示す最も基本的な数値です。

相対的リフト

非接触グループを基準にした「伸び率」です。

接触グループが40%、非接触グループが20%の認知率の場合、20%から40%への増加率は100%となり、これが相対的リフトの値になります。元々の認知が低いブランドほど高く出やすい傾向があるため、数値の大きさだけで判断しないよう注意が必要です。

ヘッドルームリフト

まだ伸ばせる余地(ヘッドルーム)のうち、どれだけ埋められたかを示す指標です。

非接触グループの認知率が75%であれば成長余地は25%(100% – 75%)で、絶対的リフトが15%なら、ヘッドルームリフトは60%(15% ÷ 25%)となります。

元々認知が高いブランドは絶対的リフトが小さく出やすいという天井効果を補正できるため、認知水準が異なるブランド同士の比較や、業界平均とのベンチマーク比較に適しています。

よくある疑問

ブランドリフト調査を実施する過程で多くの広告主がぶつかる疑問を整理します。事前に把握しておけば、スムーズに調査を進められるはずです。

調査結果が「有意差なし(ブランドリフトの検出なし)」だった場合

調査結果が「有意差なし」だった場合、「広告効果がなかった」と即断するのは早計です。原因として多いのは、同時期にテレビCMや他媒体での出稿が重なっているケースです。

事前に配信時期をずらせるのであれば避けておきたい事象ではありますが、ブランドリフト調査を実施するほどの出稿規模であれば、現実的には他媒体でも同時期に配信が走っていることがほとんどです。

その場合に注目していただきたいのが「非接触グループの認知率(ベースライン)」です。例えばテレビCMを全国的に実施していると、YouTube広告に接触していないユーザーもテレビCM経由で既にブランドを認知しているため、非接触グループの認知率が高く推移します。結果として接触グループとの差が出にくくなり、統計的に有意なリフトが検出されないという構造が生まれます。

つまり「有意差なし」は「広告が効かなかった」のではなく、「他施策によってベースラインが引き上げられ、YouTube広告単体の上乗せ効果が見えにくくなった」可能性があるということです。

調査結果が「データ不足」だった場合

調査結果が「データ不足」と表示された場合、アンケートの回答数がリフトを検出するために必要な最小しきい値に達しなかったことを意味します。

主な原因としては、➀ブランドリフト調査の条件にある最低出稿額に届かなかったケース、➁ターゲティングを絞りすぎてリーチが不足したケース、➂➁それに伴い、アンケート回答数が伸びなかったケースが挙げられます。

対処法としては、まずは前述の通り、キャンペーンの日予算を確認の上、最低出稿額を満たすこと。予算は満たしているのにデータ不足となった場合は、ターゲティングの拡張やフリークエンシーキャップの設定を検討し、より多くのユニークユーザーにリーチできる配信設計に調整してください。

なお、「データ不足」はあくまで回答数の問題であり、広告の配信効果そのものを否定するものではありません。次回の調査では配信設計の段階で必要な回答数から逆算し、十分なリーチを確保できる予算とターゲティング設定を事前に組んでおくことが重要です。

まとめ:Googleブランドリフト調査で広告効果を「見える化」しよう

まとめとして、Googleブランドリフト調査は、動画キャンペーン広告やデマンドジェネレーション広告の「態度変容効果」を定量的に測定できる強力なツールです。

費用面では、一定以上の出稿金額を満たせば無償で利用できます。

1問聴取なら10日間で$15,000 USD、3問聴取なら$60,000 USDが目安です。対応するキャンペーンは動画キャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーンの2種類で、事前にGoogle業種担当からのホワイトリスト登録が必要になります。

実施にあたっては、出稿予算を規定額の10〜20%増しで設計し、調査期間中の設定変更は最小限に抑えるのがポイントです。さらにサーチリフト調査と組み合わせることで、意識と行動の両面から広告効果を評価できます。

クリック数や再生数だけでは見えない「ユーザーの意識変化」を把握できれば、次のクリエイティブ改善や予算配分の根拠が明確になります。YouTube広告やデマンドジェネレーション広告を出稿中であれば、まずは1問聴取からブランドリフト調査を試してみてください。