この記事の要点
- ファーストパーティデータとは、自社が顧客から直接収集したデータのこと。ゼロ・セカンド・サードパーティデータとは「誰が」「どう」集めたかで区別されます
- 「Cookieがもう使えなくなる」という話は半分正しく半分不正確です。2026年時点の正確な状況を整理します
- 中小企業・スタートアップは、顧客との距離が近い分、実はファーストパーティデータを集めやすい立場にあります
- 収集方法よりも「自社にどれだけ関係があるか」「何から手をつけるべきか」を見極めることの方が重要です
- 完璧を目指さず、目的を1つに絞って小さく始めるのが失敗しないコツです
「Cookieが使えなくなる時代がくる」「これからはファーストパーティデータの時代だ」。そんな話を耳にしたものの、自社にどれだけ関係があるのか、何をすればいいのか分からないまま、なんとなく不安だけが残っている。専任のマーケティング担当者がいない会社では、そんな状態になりがちです。この記事では、ファーストパーティデータの定義から、2026年時点で実際に何が起きているのか、そして中小企業が身の丈に合った一歩目をどう踏み出せばいいかまでを整理します。
麻生 諒也株式会社ウォーカンド 代表取締役
学生時代よりSEO・SNS事業を立ち上げ、個人事業主としてマーケティング領域に従事。個人と並行し、新卒でWEB広告代理店に入社。ブランド領域の広告プランナーとして、提案から運用まで一気通貫で担当する。同領域にて準MVP、MVPを受賞し、独立。2025年、株式会社ウォーカンドを設立。
1. ファーストパーティデータとは?なぜ今重要なのか
1.1 ファーストパーティデータの定義とゼロ・セカンド・サードとの違い
ファーストパーティデータとは、企業が自社の顧客やユーザーから直接収集した情報のことです。会員登録情報、購買履歴、Webサイトの閲覧行動などが該当します。第三者を介さず自社が直接取得するため、精度と信頼性が高いのが特徴です。
似た言葉との違いは、「誰が」「どう」集めたかで整理すると分かりやすくなります。
能動的に提供
直接取得
共有
購入
特に混同されやすいのがゼロパーティデータとの違いです。ファーストパーティは「顧客の行動から読み取る」データ(閲覧履歴から興味を推測する等)、ゼロパーティは「顧客が自ら答えてくれる」データ(アンケートで直接好みを聞く等)です。行動である程度読み取れるならファースト、顧客の内心をもっと正確に知りたいならゼロを能動的に集める、という使い分けになります。
1.2 なぜ今重要なのか?【2026年時点の正確な状況】
「サードパーティCookieが使えなくなるから、ファーストパーティデータが重要」という説明をよく見かけますが、この前提は正確ではありません。2026年現在の状況を整理すると、実は少し複雑です。
ただし、これは「何もしなくていい」という意味ではありません。SafariやFirefoxのユーザーにはすでにサードパーティCookieが届いていませんし、改正個人情報保護法やGDPRといった法規制は、Cookieの技術的な廃止とは別の軸で同意取得やデータ管理の厳格化を求め続けています。「Chromeが廃止を撤回したから安心」ではなく、「技術的な強制ブロックの波と、法規制の波は別物として捉える」というのが、2026年時点でのより正確な理解です。
2. 自社にどれくらい関係があるのか?中小企業が知っておくべきこと
2.1 中小企業・スタートアップにこそ有利な理由
Cookie規制の話は大企業のデータ基盤の話に聞こえがちですが、実は顧客との距離が近い中小企業・スタートアップにこそ有利な面があります。大企業は組織が大きい分、部署ごとにデータが分断されがちで、意思決定にも時間がかかります。一方、少人数のチームなら、問い合わせ対応・会員登録・店頭での会話といった一つひとつの接点を、そのまま生きたデータとしてすぐ施策に反映できます。規模が小さいことは、機動力という武器にもなるのです。
2.2 何から考えればいいか
「うちの場合、結局何をすればいいのか」を考えるときの起点は、次の2つです。
どちらにも当てはまらない場合、今すぐ大掛かりな対応をする必要はありません。ただし、ファーストパーティデータの活用は規制対応だけが目的ではなく、素直に顧客理解や売上に効く取り組みでもあるため、余裕があるタイミングで少しずつ始める価値はあります。
特に1つ目に当てはまる場合は、Cookieに頼らず自社データをもとに計測精度を保つ「コンバージョンAPI」の導入が有効な対策になります。詳しい仕組みは「コンバージョンAPIとは?」で解説しています。
自社の状況を客観的に整理したい方、何から手をつけるべきか判断がつかない方は、まずは相談だけでも受け付けています。現状の棚卸しからお付き合いします。
マーケティングの課題、抱えていませんか?
ウォーカンドでは戦略設計から実行・改善まで一気通貫で支援しています。
3. ファーストパーティデータの活用方法とメリット
ファーストパーティデータを活用すると、精度の高い顧客理解、広告効率の向上、LTV(顧客生涯価値)の最大化が期待できます。それぞれ実務にどう効くのか見ていきます。
具体的な活用例としては、購買履歴をもとにしたOne to Oneメール、閲覧履歴を使ったリターゲティング広告、最終購入日をもとにした休眠顧客の掘り起こしなどがあります。どれも共通しているのは、感覚ではなくデータが「次の一手」を教えてくれる点です。
4. ファーストパーティデータの集め方(概要)
収集自体は、特別なツールがなくても既存のサイトやフォームから始められます。主な接点は、Webサイトの閲覧行動、ECサイトの購買履歴、会員登録時の属性情報、店舗の来店履歴などです。
集める際のコツは、あれもこれもと欲張らないこと。「会員登録で初回10%オフ」のように、顧客にとってのメリットと引き換えに、目的に沿った情報だけを集める設計にします。ツールについては、まずCRMで顧客データを一元管理する土台を作り、施策を回せるようになってからMA(マーケティングオートメーション)を検討する、という順番が中小企業には無理がありません。CDP(データを統合する基盤)は、データ量が増えて分断が問題になってから検討すれば十分です。
5. 「データは集めたが活かせない」失敗パターンと回避策
データ活用で多くの企業がつまずくのは、次の3つのどこかです。
特に3つ目は、専任のマーケティング担当者がいない企業ほど直面しやすい壁です。無理に自社だけで抱え込まず、収集設計や初期分析だけでも外部の力を借りる、という選択肢もあります。「何から聞けばいいかも分からない」という段階でも構いません。まずは現状を話すところから始められます。
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6. 中小企業がファーストパーティデータ活用を始める3ステップ
リソースが限られていても、順番を守れば無理なく前に進められます。完璧を目指さず、小さく動くことが成功の近道です。
7. まとめ:正確な現状を知り、身の丈に合った一歩から
「Cookieが使えなくなるから今すぐ対応が必要」という煽りに惑わされず、正確な現状を理解した上で、自社にとって本当に必要な対応から始めることが大切です。要点を整理します。
- ファーストパーティデータは自社が顧客から直接集めたデータ。ゼロ・セカンド・サードとは「誰が」「どう」集めたかで区別される
- Google Chromeはサードパーティ Cookie廃止の方針を撤回済み。ただしSafari・Firefoxはすでにブロック済みで、法規制対応は別軸で必要
- 中小企業は顧客との距離が近く、実はファーストパーティデータを集めやすい立場にある
- 収集方法にこだわるより、目的を1つに絞って小さく始めることが成功の近道
「自社の場合はどうなのか」を一度整理したいだけでも構いません。Walk&は中小企業・スタートアップの一員として、現状の棚卸しから一緒に考える伴走型のマーケティングパートナーです。まずは無料相談で、今のご状況をお聞かせください。
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8. よくある質問
ファーストパーティデータの収集に個人情報保護法上の注意点はありますか?
同意取得(オプトイン)とプライバシーポリシーの整備が必須です。データの利用目的を明示し、顧客の同意を得たうえで取得・利用することで、改正個人情報保護法にも対応できます。
無料で始められるツールはありますか?
あります。無料プランのあるCRMや、フォーム作成ツールから始められます。まずは既存のECサイトやお問い合わせフォームと組み合わせ、データが一箇所に貯まる仕組みを低コストで作りましょう。
セカンドパーティデータとは何ですか?
他社のファーストパーティデータを、提携によって共有してもらうデータのことです。信頼できる相手のデータを活用し、新規顧客層へのアプローチを広げる用途で使われます。
BtoB企業でもファーストパーティデータは活用できますか?
できます。商談履歴、問い合わせ内容、名刺データ、資料ダウンロードの記録などが有効なファーストパーティデータになります。これらをもとに、見込み顧客の育成やタイミングの見極めに活用できます。
結局、うちの会社は今すぐ何か対応が必要ですか?
顧客にSafari(iPhone)やFirefoxユーザーが多い場合、または個人情報を多く扱う事業の場合は優先度が上がります。それ以外であれば、今すぐ大掛かりな対応は必須ではありません。ただし規制対応とは別に、顧客理解や売上向上のための取り組みとして、余裕のあるタイミングで少しずつ始める価値はあります。
データが少ない立ち上げ期でも活用できますか?
できます。データ量が少なくても、目的を1つに絞れば十分に有効です。早い段階から収集の仕組みを整えておくほど、事業成長とともにデータ資産が積み上がっていきます。












